意外と見過ごされがちな高齢者の身体トラブルに低温やけどがあり、特に高齢者にとって重大な健康リスクを伴う。高齢者の場合、肌が薄くなり感覚が鈍化することから、低温に長時間さらされていてもやけどに気づかないことがあるからだ。
低温やけどの特徴は、熱源による直接の火傷とは異なり、長時間にわたる低温の熱源への露出によって徐々に肌が損傷を受けることである。
高齢者が低温やけどを負う一般的な状況として、暖房器具に肌が長時間接触しているケースが挙げられる。これは、特に冬場の寒い季節に多く見られる。
電気毛布やホットカーペットなどが直接肌に触れている状態が続くと、低温やけどのリスクが高まる。また、入浴や足浴においても、適切な温度管理が行われなければ、同様の危険がある。

低温やけどの危険性は、重症化しやすいことにある。初期段階では痛みや不快感が少ないため、気づかないうちに肌が深刻な損傷を受けることも少なくない。
高齢者の場合、肌の回復能力が低下しているため治癒が遅れやすく、感染のリスクも高まる。したがって、低温やけどの予防と早期発見は、高齢者ケアにおいて重要なポイントなのだ。
低温やけどを予防するには、高齢者の肌に直接触れる暖房器具や熱い物の使用に注意を払うことが求められる。適切な温度設定、定期的な温度チェック、肌との直接接触を避けるなどの対策が効果的である。
さらに、高齢者の肌の状態を日常的に観察し、異常が見られた場合には迅速に医療的な対応を行うことが重要だ。