高齢者に多い低温やけどが高温やけどに比べて危険な理由

低温やけどとは、比較的低めの温度に長時間接触することで発生するやけどのことである。
例えば、冬場に暖房器具に至近距離であたり続けるなどすることが要因で起こる。低温やけどが高温やけどに比べて危険な理由を説明していこう。
まずは、自覚症状が現れにくい点が挙げられる。低温やけどは、高温やけどと違ってすぐに痛みや赤みなどの自覚症状が現れにくいのだ。そのため、気づかないうちに皮膚が損傷してしまうことがある。
また、自覚症状がないために適切な処置を行わなかったり、医師の診察を受けなかったりすることも危険な理由に該当する。

低温やけどは、重症化しやすいと言われている。
その理由は、低温でじっくり中まで火を通す肉料理に例えられることがあるように、長時間にわたって皮膚に低温の熱が伝わることで、高温やけどよりも皮膚の内部の損傷が激しくなるためだ。そのため、自身が思った以上に重度のやけどになっている可能性があるのだ。
また、低温やけどは高温やけどよりも重症化しやすく、治癒にも時間を要する。さらに、高齢者は感染のリスクも高くなる。
低温やけどは高温やけどと同様に、後遺症が残る危険性もある。例えば、傷跡や色素沈着、神経障害などだ。特に神経障害は、感覚の鈍化やしびれなどを引き起こすことがあるので注意が必要だ。
以上のように、低温やけどは高温やけどに比べて危険な理由が多く存在する。特に高齢者は皮膚のバリア機能が低下しているため、低温やけどに注意する必要がある。
低温やけどを予防するためには、暖房器具との距離を保つことが大切である。また、万一低温やけどを負った場合には、すぐに医師の診察を受けることが大切だ。