高齢者を見守る側が知っておきたいやけどと低温やけどの違い

一般的なやけどとは、高温のものに触れることにより起こる皮膚や粘膜部分の外傷を指す。軽度なものであれば水ぶくれ程度の症状で済むが、重度なものだと手術が必要となることも珍しくはない。
基本的に、高温のものに触れた場合はすぐにそれから離れようとするので重度な症状が引き起こされるケースは少ないものの、高温のものが近くにある場合は気をつける必要がある。
一方、低温やけどとは、名前の通りさほど高温でない温度のものに触れることにより起こるやけどのことである。42度から44度くらいの温度はちょっと熱め程度に感じられるだろう。しかし、これくらいの温度であっても皮膚に触れる時間が長くなれば、低温やけどを引き起こす恐れがある。

決してよい例えではないが、低温やけどはステーキを低温でじっくり焼くことと似ており、時間をかけて体の内部にまで症状が広がりかねないのだ。たとえ温度が低くても、長く触れ続ければ内部にまでやけどが広がるので、一般的なやけどと比べると重症化のリスクが高くなる。
高齢者の方は感覚の低下により熱さに気づきにくい場合が多く、暖房器具を使用する場合は見守る側の人間が注意する必要がある。
また、高齢者の方は体温調節機能の衰えなどの理由により寒がることが多く、暖房器具を使用しないという選択をとりづらいのも厄介なところである。
低温やけどのリスクが存在する暖房器具を使用する場合、温度設定や使用時間に細心の注意を払うようにしなければならない。